ZENSHIN

下山農園

代 表:
下山 房巳 様
住 所:
埼玉県加須市柳生47
経 営:
水稲/8町歩請負+2町歩自分=10町歩
ハウス/トマト土耕栽培 1,200坪 ミニトマト
水稲1反に付き37株植え
設 備:
トラクター、コンバイン、田植機、精米プラント 他設備多数
所 属:
JAほくさい、北川辺とまと研究会

埼玉県加須市は、関東平野のほぼ中心にあたる埼玉県の北東部、都心から50~60km圏に位置し、北側は利根川と渡良瀬川を境に、群馬県、栃木県、茨城県の3県に接する標高16m前後の平坦地です。肥沃な土壌と水に恵まれたこの地域は、利根川を水源とした見沼代用水や葛西用水など多くの農業用水路が整備されており、稲作が盛んに行われ、県内有数の穀倉地帯となっています。 下山農園のある北川辺地区は、代々利根川の水利権を持ち直接水をひけることで、肥沃土と肥沃水による好条件の元で、安全・安心・良食味を目指し、早場米の良質米を生産しています。 2009年に東京農大を卒業した長男豊氏が担い手と成ることがきまり、生産者として、これまで以上に積極的な経営を行っています。

下山農園こめづくりレポート

実施日:
平成23年9月25日(日)
場 所:
埼玉県加須市 下山農園様
作 物:
水稲/コシヒカリ
天 気:
晴れ

(1)圃場四隅の手刈り

コンバインによる収穫は、圃場の四隅で旋回する際に、稲穂を引き倒してしまったり刈残しを出してしまう事がしばしば起こる。その為、まず圃場の四隅の約八歩分をあらかじめ鎌による手刈りを行う。手刈りで集めた稲は、圃場の稲に紛らわせて立たせておく。このようにすることで通過したコンバインが回収してくれる。

(2)コンバインによる収穫、脱穀

収穫は外周から中心に向かって、前進と旋回の繰り返しで行われる。その際に「コンバイン操作」、「もみの運搬」、「手刈り」の最低3人が必要となる。コンバイン内部で脱穀も同時に行われ、藁は細かく裁断されて後方排気口から排出される。
刈り取った稲部分はカッターにより細かく断裁される。コンバイン作業中は非常に大きな刃の駆動音がするため、キャビン内ではほとんど外の音が聞こえない。そのため携帯電話やジェスチャーを使いながら作業の指示を出していた。

(3)もみの運搬・乾燥

コンバイン内部のもみのタンクの許容量がいっぱいになると、ブザーが鳴る。荷台に収穫用のコンテナを設置したトラックを用意し、コンバインのズームオーガを用いてコンテナへ移動させる。コンテナは通常のものより容量の大きいものを使用し、作業の効率化を図っている。
もみは下山農園様のライスセンターまで運ばれ、そこで乾燥調整を行う。

感じたこと

  1. 収穫作業は、機械化が進んでいるとはいえ、下山さん一家3名で広大な圃場で収穫を行っていることを考えると大変な作業であると感じ、お米のありがたみや大切さをとても再確認した。(AE M)
  2. 最新のコンバインにも乗せて頂き、農業の機械化を身を以て体験できた。このまま機械化が進めば、より農業は身近なものになると感じ、手で稲を刈る作業をする事で、生産者の思いを感じる事もできた。少しでも生産者の方々の思いをお客様、消費者に伝えられるようになればと感じた。(AE S)
  3. 「コンバインの操作」と「手作業」の両方を体験し、農業機械の威力やありがたさと、手作業の意味も身をもって体験できたことは深く印象に残った。最新式 のコンバインの内部は、想像以上に快適だった。農業経営で重要なことをうかがった際、「自然に大きく左右される仕事だからこそ、日に日にやるべきことを 年間の計画の中から即時に判断できる人がうまくいく」とおっしゃっていて、全てのビジネスに共通して学ぶべき姿勢であると感じた。(AE K)
  4. 台風一過4日後ということもあり倒伏が心配だったが、「肥料の効果によりイネが強くなり倒伏しづらくなった」とのことだった。機械化により省力化が進んでいるとはいえ、コンバインの操縦には熟練の技が必要なのだと実感した。四隅の手刈りの部分をほとんど残すことなく、あの大きなコンバインを繊細な操縦で刈り取られていたので驚いた。効率の良い作業は機械の力も大きいが、下山農園さんの連携プレーも 大きな要因だと感じた。(AE S)

下山農園こめづくりレポート

実施日:
平成23年6月28日(火)
場 所:
埼玉県加須市 下山農園様
作 物:
水稲 コシヒカリ
天 気:
晴れ

水田の水を抜き、電動モーターとホースにて散布。通常は2人で行う。今回は、散布者、ホース付き添い、ホース伸ばし、ホース戻しの4役を1人ずつ担当。散布範囲が非常に広いため、農薬タンクに繋がれた延長ホースを作業の進行によって、調節していく。

除草剤を均一に撒くことは難しい。それは、作業時間が経つにつれて腕が疲れて思い通りの方向にノズルが向かなくなる為。もう一つは、足場が緩い区画では体勢が崩れて、思い通りの方向にノズルが向かなくなる為。ゆっくり丁寧にやっても薬剤を消費してしまいコストも掛かる。

水田の中はイネをまたぐようにして歩行。片方に届く限り散布し、逆側には2m程度かける。
ホース巻き取りの際は急に大きく引っ張ったりせず、常にホースと散布する人が水平になるくらいを保つと良い。
水分を含んだ水田の中は、足が沈んでしまい、非常に歩きにくい。作業用の長靴は締め付けが強く、水田の中を歩いても抜けないようになっている。

感じたこと

  1. 水田が乾いてからの方が、肥培管理は楽。
  2. 水田の雑草は毎年発生するものが変わるので除草が大変。
  3. 去年はホタルイが発生。手で抜いて行ったため非常に重労働であった。スギナがたくさん生えていた。(AE S)
  4. 除草剤の散布では、炎天下の中、帽子+ゴーグル+農薬用マスク+長袖+長靴の完全装備での作業は暑さが辛く、サウナの中にいるようだった。汗が大量に出た。(AE S)
  5. 除草剤の選択基準は特にない。ただし、毎年異なるブランドを使用している。ローテーションというほど計画性は無いとのこと。種苗店や農協の方からの推奨や、同業者の話しを参考にしている。(AE S)
  6. ホタルイとイネの区別がつきにくかった。(AE S)
  7. スギナは根が強く、手で引っ張ると葉がちぎれてしまい根が残ってしまう。(AE S)
  8. 気力と体力を保つのが難しい程に、途方もない苦労があると感じた。(AE K)
  9. 去年は2回除草剤を散布したが、雑草が生えてしまった。今年は、代かき時に1回目、5月に2回目、そして今回が3回目。田植え同時の散布は、効きが悪い。収穫後に、一気に枯らす予定。(D N)
  10. 炎天下の中、広い圃場での作業は、大変な重労働。さらに、生産者は早朝4時起床で仕事をしている。大変感心した。(D N)